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難治性姿勢上顎洞炎

 難治性の歯性上顎洞炎は、上顎洞内で起こる炎症であり、感染によって排泄物が自然口を通り鼻腔内へと排泄されます。上顎洞内には多列繊毛上皮で覆われた粘膜が存在し、健康な状態では上顎洞内に生息する菌もこの繊毛運動によって除去されます。しかし、炎症が持続し、自然口の封鎖や繊毛運動機能の低下が生じると、排泄がうまく起こらず、炎症は長期化することがあります。歯科においては、歯の治療による原因の解消、根管治療、外科的歯内療法などが行われますが、症状が改善しない場合には医科的なアプローチが必要となります。医科歯科共同のアプローチが求められるケースもあるため、治療方針をめぐり患者が混乱することも少なくありません。
 治療においては、隣接医科領域の知識に加え、原因である根尖性歯周炎に対する高度な治療が必要とされます。また、医科歯科の連携を適切なタイミングで行うことが重要であります。現在、歯科と耳鼻咽喉科による引き続きの経過観察が必要です。上顎洞は、解剖学的に歯科と耳鼻咽喉科領域にまたがっているため、関連する専門医の共同作業が求められています。



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